防災の基本

災害用伝言ダイヤル171の使い方|家族で決めておく3つのこと

※ 本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。紹介する商品は、執筆者が現場経験をもとに調査・検討したうえで掲載しています。

「災害が起きたら、まず家族の安否を知りたい」

これは誰もが思うことです。でも、実際の大規模災害では電話がほとんどつながりません

東日本大震災のとき、被災地への通話は最大で平常時の50〜60倍の規制がかかりました。携帯もキャリアによってはほぼ通じない時間帯が続いた地域もあります。

そんなときに使える命綱が、災害用伝言ダイヤル「171」です。NTTが無料で提供している伝言サービスで、覚えておけば家族の安否を確実に伝えあえます。

でも——「171って聞いたことはあるけど、使ったことはない」という方が、実は9割以上だと言われています。

まもる(worry) まもる

災害が起きたら、まず家族に電話したいですけど…つながらないって聞きました。どうすればいいんでしょうか?

ケン(normal) ケン

そのために「171」がある。30秒の伝言を録音できる無料サービスだよ。ただし、使い方を「いざという時」に初めて見るのでは遅い。家族で1回でも練習しておくことが大切なんだ。

この記事でわかること

災害用伝言ダイヤル171とは

171はNTT東日本・西日本が提供している、災害時専用の無料伝言サービスです。

仕組みはとてもシンプル。

  • 被災地の人が「自分の電話番号」をキーにして30秒の伝言を録音する
  • 家族や友人がその「電話番号」を入力して、伝言を聞く

つまり、家族で共通の電話番号(基準電話)を1つ決めておけば、その番号を介して全員の安否情報をやりとりできる仕組みです。

基本スペック

項目内容
利用料金無料(通話料は発信者負担)
録音時間1件あたり最大30秒
録音件数1電話番号につき最大20件
保存期間提供期間中(通常48時間〜数日)
提供開始災害発生から30分以内が目安
利用回線固定電話・携帯・公衆電話・IP電話すべて可
💡 プロのワンポイント

171は「災害時のみ提供される」サービスです。普段はかけてもつながりません。実際にサービスが開始されるのは、大規模災害(震度6弱以上の地震・大規模水害など)が発生したときに限られます。だからこそ、後述する「体験利用日」での練習が重要です。

使い方|録音と再生の手順

操作はとてもシンプル。「171→1(録音)または 2(再生)」だけ覚えれば大丈夫です。

伝言を録音する手順

  1. 171」にダイヤルする
  2. ガイダンスが流れる
  3. 1」を押す(録音モード)
  4. 自分(または家族)の電話番号を市外局番から入力
  5. ガイダンスのあと、ピーッという音
  6. 30秒以内で伝言を録音
  7. 「9」または電話を切ると終了

伝言を再生する手順

  1. 171」にダイヤルする
  2. ガイダンスが流れる
  3. 2」を押す(再生モード)
  4. 安否を確認したい人の電話番号を市外局番から入力
  5. 伝言が再生される

録音内容のコツ

30秒は意外と短いです。事前に伝える内容を決めておくと確実です。

(例)父です。ケガはない。今、〇〇小学校の体育館にいる。
スマホは充電できない状況。何かあれば LINE か web171 で。
  • 誰からの伝言か(名前)
  • 安全か(ケガの有無)
  • どこにいるか(避難場所)
  • 連絡手段の状況

この4点を短く詰めるのがコツです。

体験利用日を知っていますか

171は普段使えませんが、練習用に体験利用ができる日が決まっています。

利用できる日期間
毎月1日・15日0時〜24時
正月三が日1月1日〜1月3日
防災週間8月30日〜9月5日
防災とボランティア週間1月15日〜1月21日

やることは1回だけでいいんです。家族の中で「うちの基準電話番号」を決めて、1度だけ録音と再生をやってみる。それだけで、災害時の体感が大きく変わります。

⚠️ やらないと忘れる現実

研修で「171を使ったことがある人」と聞くと、ほぼ手が挙がりません。「知識」と「やったことがある」の差は本番で大きく開きます。毎月1日に、家族でやってみるを強くおすすめします。

171と併用したい3つの手段

171だけに頼るのではなく、複数の手段を組み合わせるのがプロの考え方です。

① Web171(災害用伝言板)

スマホやパソコンから文字で伝言を残せるWebサービスです。

  • URL:https://www.web171.jp
  • 文字数:100文字程度
  • 音声と違って「読み返せる」のがメリット
  • LINE と連携できる「つながる伝言板」機能もあり

② LINE・メッセンジャー

普段から家族のLINEグループがあれば、それが最強の連絡手段になります。

  • 文字なら通信が混雑していても送信できる場合が多い
  • 既読がつけば「無事」のサインになる
  • スタンプ1つでも安否確認になる

③ SNS(X、Instagram、Facebook)

意外と災害時の安否確認で機能するのがSNSです。

  • 「無事です」とX(旧Twitter)に投稿しておくだけで多くの人に届く
  • ハッシュタグ「#〇〇市無事です」のような使い方も
  • 安否確認サービス(Facebookの安否確認機能など)も活用
まもる(surprise) まもる

171だけじゃなくて、LINEやSNSも合わせて使うんですね。

ケン(nod) ケン

そう、「これさえあれば大丈夫」という単独の手段はない。171、Web171、LINE、SNSを組み合わせて、つながった手段で連絡を取り合う。これが現実的な災害時の連絡術なんだ。

家族で決めておく3つのこと

ここが一番大切なところです。家族で事前に決めておかないと、171は機能しません

① 基準電話番号を1つ決める

家族のうち、誰の電話番号を「全員が録音・確認する番号」にするかを決めます。

  • おすすめは「自宅の固定電話」または「父親(または母親)の携帯」
  • 全員がその番号を暗記しておくこと
  • 高齢の親がいる場合は紙に書いて財布に入れておく

② 集合場所を2パターン決める

  • 自宅にいるとき:近所の◯◯公園
  • 外出中のとき:◯◯駅前の◯◯(自宅に戻れない場合)

171で「〇〇公園に向かう」と伝えれば、家族が同じ場所を目指せます。

③ 連絡手段の優先順位

ベストな手段は災害規模によって変わります。優先順位を家族で共有しておきましょう。

① LINE家族グループ(一番つながりやすい)

② 171(音声で詳細を伝えたいとき)

③ Web171(文字で残しておきたいとき)

④ SNS(広く家族・親戚に届けたいとき)
💡 プロのワンポイント

災害時、家族と「会えない」のが一番怖い。でも事前に「どこを目指せばいいか」「どう連絡を取るか」が決まっていれば、自分も家族も、お互いを信じて行動できます。ルールを決めておくこと自体が、家族の安心になるということを覚えておいてください。

覚えておきたい災害時の3桁番号

171以外にも、覚えておくべき3桁の番号があります。

番号用途
171災害用伝言ダイヤル
119消防・救急
110警察
189児童相談(いちはやく)
177天気予報
104電話番号案内

特に、災害時に最初に使う可能性が高い「171」「119」「110」の3つは、家族全員が暗記しておきたい番号です。

まとめ|連絡手段は「事前に決める」が全て

項目やること
使い方171→1(録音)/ 2(再生)→ 電話番号入力
練習日毎月1日・15日、正月、防災週間
基準電話家族で1つ決めて全員が暗記
集合場所自宅にいる時用・外出中用の2パターン
連絡手段LINE→171→Web171→SNSの順

災害時、「思っていたとおりに動けない」のは当たり前です。でも事前に決めておいたルールは、パニック時にも身体が動いてくれます。

今日やること:家族のLINEグループに「うちの基準電話は◯◯ね」と1メッセージ送る。それだけで、防災対策の質が一段階上がります。

参考・出典

  • NTT東日本「災害用伝言ダイヤル(171)」
  • NTT西日本「災害用伝言ダイヤル(171)」
  • 総務省「災害時の通信手段の確保」
  • 内閣府「防災情報のページ」

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そなえ
ケン

元消防士|消防・救助・救急・日勤 計15年の現場経験を持つ防災ライター。現場を知る人間にしか書けない、リアルで実用的な防災情報を発信しています。